油を水に溶かす
石油系の各種オイルも動植物油も水には溶けません。昔から、仲の悪
いことを「水と油の関係」と言いますよね。ただし、人間関係では
仲立ちする人が入ったら、誤解が解けて親しいお付き合いが始まるこ
ともあります。水と油に関しては「界面活性剤」がその役目を果たし
ます。「牛乳はなぜ白い?」「マヨネーズの成分は?」の時にもご説
明しました。
では、石油系のオイルも動植物油も同じ界面活性剤で仲立ちできるか
といったら、そう簡単ではないのです。人間社会でもでしゃばりタイ
プの人や両者の話をじっくり聞いてから事を始める人などいろいろな
人がいるのと同じで、油の種類や水の温度によって界面活性剤を使い
分けます。
もうひとつ、油を水に溶かす方法があります。上記は二者の間に第三
者が入り込み仲良くする方法でしたよね。少し荒業なのですが、油の
角を取ると言いますか、聞き分けのいい子にすると言いますか、とに
かく、油自体をいじくって水に溶かします。いじくると言っても、
三日三晩お玉でかき回していても「いい子」になりません。
油には「何か」と化学反応できるポイント(反応基といいます)が
あります。このポイントに水と仲が良い(親水基といいます)物質を
組み込んで改質させます。人間界で言えば、二者の一方にお仕置きを
して、強制的に仲良く?させているような状態ですかね。
わが社も、第三者方式と強制お仕置き方式をうまく調和させて、様々
な製品を製造しています。