アクリル酸の事故

姫路で大きな化学工場爆発事故がありましたね。アクリル酸が入って

いたタンクだったようで、みなさんも報道等で既に詳しく知っておら

れることと思います。

このアクリル酸の分子内には比較的不安定な炭素の二重結合というの

があります。こんな形です→(C=C)この二重結合は刺激(高温や

触媒)を与えると切れてこんな形になります→(−C−C−

どうですか?何か横の人(物質)と手を繋ぎたそうに見えませんか?

これが重合反応の始まりです。お隣と手を繋ぐと熱が出ます。発熱反

応です。そしてまた手を広げて重合します。次から次に反応が進む

鎖反応(自己重合)に至ってしまい、手がつけられなくなります。姫

路の事故を分解するとこのような説明になります。

重合は身近なところにもあります。桐油やアマニ油は乾性油と言い、

塗料の原料になります。薄く刷毛塗りすると、空気中の酸素と反応し

て分子同士が繋がって樹脂化します。立派な重合反応です。漆器もそ

うです。漆を木工製品に塗っては乾かし塗っては乾かしを繰り返しま

す。化学的に言い換えれば塗っては重合させ塗っては重合させになり

ます。うまく自然の恵みを利用していますね。